日銀と財務省 2011 6 19
書名 この経済政策が日本を殺す 日銀と財務省の罪
著者 高橋 洋一 扶桑社新書
私が思うに、
日銀は、深層心理では、デフレを志向していると思います。
会社というものは、主力製品の価値を向上させるべく行動します。
日銀の主力製品とは、何か。
それは、1万円札です。
1万円札の価値を向上させるのには、どうしたらよいか。
デフレにすればよい。
あるいはデフレを傍観すればよい。
人から聞いた話では、
かつて日銀には、このような文化があったそうです。
大相撲の星取表のように、
利上げは白星(勝ち)、利下げは黒星(負け)と数える文化があった。
そこには、国民という視点はありません。
もちろん、日本銀行は、
ジャスダック市場に上場している株式会社なので、
自らの組織防衛を最優先に考えることは、やむを得ないかもしれません。
日銀の株価は、金融危機の影響で低迷しています。
長い目で見ると、バブル経済の崩壊後から低空飛行しています。
次に、財務省。
財務省については、
以下の「大変だビジネス 2010 6 27」を読んでください。
大変だビジネス 2010 6 27
今日は、「週刊ダイヤモンド 2010 6 12号」から、
興味深い記事を取り上げましょう。
「山崎 元のマネー経済の歩き方」から、
「『危機』を商売にする人たち」です。
山崎氏は、こう指摘します。
「ギリシャの財政問題に始まった今回の経済的混乱は、
資本市場に大きな影響を与えた。
(中略)
こうした『危機』を感じさせるイベントが、
(金融市場で)起こったときに、
妙に活性化する一群のビジネスがある」
こうした新手の商売とは何でしょうか。
ひとつは、財務省の増税ビジネスでしょう。
こちらは、なにしろ、「公務」だから仕方ありませんが、
山崎氏は、こう指摘しています。
「なんとしても『増税』を行いたい官僚たちの意を受けて、
『日本の財政はギリシャ並みか、それ以上に悪い』と、
あおる宣伝が盛んだ」
このような誇大広告は、本来ならば、不適切な広告と言えますが、
なにしろ、「公務」ですから、いかんともしがたいものがあります。
また、山崎氏は、このような「大変だビジネス」は、
他にもあると指摘します。
「財政危機をあおって目的を達したい主体は、
財務省以外にもある。
たとえば、プライベート・バンカーたちだ。
彼らは、日本の個人の資産を、預金や国債から引きはがして、
海外での手数料の高い資産運用に持ち込みたい。
つい数年前まで、大銀行が倒産するとか、
個人の預金が封鎖されて相当額が切り捨てられるとか、
日本が財政破綻してパイパー・インフレーションに見舞われるといった、
『怖いストーリー』を語って、
高い手数料のサービスに資金を誘導してきた。
しかし、彼ら(プライベート・バンカーたち)が大好きで、
日本円から多額の資産を誘導してきたユーロと欧州経済が、
ぼろぼろになったことは、お気の毒だった。
いずれにせよ、顧客の危機感につけ込んで、
恐怖と一緒に売る商品に、ろくなものはない」